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犬王(2022)を109シネマズ湘南で。 

予告編だけの情報で見に行ったけど、非常に良かった。まさかの芸道もので、南北朝〜室町時代が舞台のロックオペラだった。できれば歌詞だけでも日本語字幕をつけてほしかった。実在の謎めいた人物がモデルだとも、原作小説があるとも後から知った。普段見てるものとは違い、97分という短尺なので呪いの部分と未完の復讐についてはやや説明不足に感じられた。小説を読めば理解できるだろうか。しかし音楽はいいし、何よりも絵が素晴らしい。盲目の主人公の心象のぼんやりした視界から始まり、父ちゃんの亡霊(『デーヴィド』を思い出す)、厳島神社の鳥居のフジ壺、異形の犬王の無重力の躍動、ステージの視覚的演出まで圧倒するものがある。最後の犬王の変節(と思われるもの)だけが咀嚼しにくいものがあった。言葉を扱うものは言葉に殉じるが、肉体で語るものは融通無碍に生き延びるということか。室町の世の京の都にハードロックというパラレルな世界にすんなり入り込める楽曲構成の妙。平家琵琶と能楽の謡いとが混じり合うというのは実際にあり得ることなのか。エンディングのアニメーターのクレジットにはベトナム人名が多数。

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