Virata Parvam (Telugu/2022)を川口スキップシティで。
マハーバーラタになぞらえた何者かと思っていたら、ミーラー・バーイーものだった。ヒロインは民謡歌手の娘。村人はほとんどが低カースト。隠れて回し読みされていた革命詩人の詩に熱狂して昂ぶり、警察とのいざこざの場に現れた本人を見て恋に落ちる。そして無謀にも家を出て彼のdalam(部隊という程度の語か)に加わろうとする。無知な田舎娘の危なっかしい探索の末に奇跡的に目指すところに行きつく。相手にしない男に対して粘りに粘り、入隊し戦闘員となる。しかし彼女の到来が多くの同志の死と重なったため、スパイと疑われてハイコマンドからの指令で処刑される。保守的な俗物に見えた従弟がナクサル支持の言明をするところ、テランガーナの伝統工芸の人形、ミーラー・バーイーの詩の引用、「戦闘員として死ぬのは低カーストだけ、理論家のハイカーストは生き延びる」、父親の歌う民謡、などなど印象的な要素多数。トレーラーにあって本編にないシーンも幾つか見受けられた。わき役に徹してストイックなゲリラを演じたラーナーもよかった。常識外の狂気の愛をSPは美しく演じた。