Cobalt Blue (Hindi/2022)をNTFLXで。
日本語字幕付き、邦題は『コバルトブルー』。ケーララが舞台のヒンディー語作品というだけの情報で見始め、色々吃驚。フォート・コーチンのそこここ、特にKMBのインスタレーション会場がそのまま使われたと思しきロケ・スポットが懐かしい。主人公の住む屋敷も覚えがあるけど名前が思い出せないもどかしさ。ただし、青カンの現場のあの沼地はあり得ねえと思う。全体におしゃれ過ぎる演出なのだけど、フォート・コーチンのあの特有の空気感は出てる。プラティーク・バッバルが謎めいたバイの男を演じて実にはまっている。ヘテロ男女の三角関係なら単なるだらしなさになるものが、クイアだと美しくなるというのはなぜなのか。冒頭で語られる、主人公のマハーラーシュトラからケーララへの移住の理由が、父親の性欲処理という身も蓋もないものであるのと対照的。インドラジットの嫁の名があったので興味津々だったが、尼さんだったとは。そして尼さんが箪笥の内側に貼っているブロマイドがナグ様というのが何とも言えない。性愛描写は美しくロマンチック、差し挟まれる、愛の絶望と諦念とを歌う詩が美しい。