ダウントン・アビー(UK、2019)をNTFLXで。
疲れ気味なので日本語字幕で見たかった。なんとなく名前だけ知ってて、多分流血とかはなさそうということで選んだ。しかし人物関係はわかりにくい。後から調べたら、2010年から5年も続いたTVシリアルのスピンオフだという(ストーリーはドラマの要約ではなく後日譚的オリジナル)。道理で情報不足感、不完全燃焼感があるわけだ。劇中の要所要所で巧みな人物紹介がなされるのだが、それが大体遅すぎのタイミング。連続ドラマを見ていたらスッと入っていけるのだろうけど。1927年の設定だとのことだが、批判精神なく繰り広げられる上流階級ライフを見続けるのは退屈だった。もちろん劇中キャラのそれぞれには愛憎のドラマがあるのだが、スケールが小さい。上流階級以外に語るべき人生はないという作品世界は例えば源氏物語だってそうだけど、20世紀でこれかよという失望。時代劇には、歴史的構造性とヒリヒリした苦味が欲しい。疲れ気味だったのでヌルい話で安らぎたかったのだけれど、これは駄目だと思った。