テュベテイカをかぶった天使(ソ連/1968)をユーロスペースで。
中央アジア今昔映画祭にて。カザフ最大の都市アルマアタ(アルマトイ)を舞台にしたカザフスタン映画。台詞は基本的にロシア語で、一部民謡の部分のみがカザフ語。その部分には朗読でロシア語の大意が挿入される例のシュールな構成。本来はカザフ語の作品だったもののロシア語版なのか、最初からロシア語で撮られたものなのか不明。昔ならソ連映画の中の民族共和国映画として見ていたはずだ。ストーリーはないに等しいミュージカル映画。スターリン・ゴシックの建造物に白樺並木を吹き抜ける爽やかな風が感じられるあのソ連映画の空気感。おそらくムスリムであろうと思われるが宗教色はほとんど出ていない登場人物。モブとしてはロシア人、朝鮮人など多彩な顔。1950~60年代のモダニズムの衣装や住居などなど、夢のようなビジュアルが走馬灯のように繰り広げられる。母親とロマンスグレーの間はどうなったのかとか、置き去りになったプロットや順序が逆転していないか?というプロットもあった。