Lakshmi's NTR (Telugu/2019)をオンラインで。
お騒がせRGV監督の露悪映画と思っていたけど、しっかりと掘り下げた愛憎ドラマになっていて、お見逸れしましたというところ。現地の評判は悪く、プロパガンダ映画という文言も散見されるが、プロパガンダ上等ではないか。主人公であるラクシュミはあくまでも無辜の人として描かれていたが、そこに目くじらを立てても仕方ない。老いたNTRのセリフ回しにまず唸る。実際にそうだったのかどうか分からないが、実生活においても朗々と文語調の台詞回しで喋るというのが、見事であり、皮肉でもある。そしてラクシュミは常にNTRをスワミと呼び、こちらもバクティ映画を地で行く人として描かれる。シュリーテ―ジのCBN役は、完全に悪役の造形だが、騒々しいBGMが邪魔ながら見事な芝居。予告編でNBKだと思い込んでいた人物はモーハン・バーブだった。ともかく、ラクシュミのNTRへの献身、宮廷クーデタの描写など、全てがマハーバーラタ。特にCBNにつくMLAが当初僅かだったのを、Eナードゥが「多数参集」と書き立てて攪乱するなど、灯火で敵を大勢に見せる戦略そのものではないか。