『コンフィデンシャル/共助』(공조、2017)をオンラインで。
まあほんとによくできたアクションで、十分に金がかかってることが分かるチェイスシーンを始めとして、信用できない相棒、ハイテク戦、ニセ札原盤、廃工場と埠頭での銃撃戦、時限装置付き爆弾を仕掛けられた人質、それに適度なセンチメントと、アクション映画の教科書に載ってるものを全部入れて、適材適所過ぎる俳優を配置してよどみなく作った職人芸の世界。しかし本作をスリリングにしているのはやはり南北のぶつかり合い。北の国家ぐるみの犯罪の資源を盗み出した人間をストーリー中でどういう位置づけにするのかというのは結構キツい問題だと思うが、そこはヒラリと回避して、主人公の個人的な怨恨の向かう先としてしまった。したがって南北の刑事の友情は個人のレベルに留まることになった。ちょうど印パキものみたいに。面白かったのは、何でもない食卓でのやり取りで主人公が北の人間だと分かるところ。それから南北の刑事がそれぞれの国の体制をディスり合うシーン。経済状況をディスるのだが人権問題には触れないあたり。