ゴールデンスランバー(골든슬럼버、2018)をオンラインで。
韓国文化院の「韓国映画特別上映会」にて。見終わった後にレビューなどで日本の小説が原作で、日本映画にもなっているということを知って吃驚。あの設定はどう考えても韓国の方がしっくりくる。スピーディーでそつのないアクション&ポリティカル・スリラー。アクションとしては上出来だが、ポリティカル・スリラーとしては弱い。冒頭で殺される友人は、大韓民国国家情報院の諜報員だったというのが分かるが、なぜ国家の中枢が野党(?)党首を殺すのか分からない(殺されれば同情票が集まるってもんじゃないのか)。計画の狂いは、たまたま実行部隊員が主人公の親友で、主人公を捨て駒にできなかったところから生じるわけだが、その誤算を最初から見越したように主人公のそっくりさんを作っておくのがご都合主義に思えた。また任務を終えたとされるそっくりさんが冷徹な組織から消されずに逃走を御膳立てされるというのもリアリティがない。国家情報院の反逆者ミンがなぜ反逆者になったのかも分からない。主人公と友人たちの階級差とか、ところどころの場面の飛躍とか、細かい点では納得できないところもある。