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Oka Oori Katha (Telugu/1977)をYTで。 

ダリトを扱った映画と聞いて、観ておきたかった。ムリナル・セーンの唯一のテルグ語映画。当然アートハウス。『芽ばえ』が74年でこれが77年。この時期のテランガーナにはアート系作家を惹きつける絶対的貧困の結晶があったのか。なにぶんアート系だから、最初の方は休み休みトロトロ見てたんだけど、終盤のデモーニッシュさに慄然とした。ダリトが主役であっても、社会改革のメッセージを(少なくとも表面的には)もたないリアリズム文芸作。比較的豊かだった過去の記憶を持ち、現在の窮状の原因をザミンダールへと見なし、ルサンチマンをもつ父は、働けば働くほどザミンダールを利するので、労働を嫌っている。息子もまた、日雇い労働を気が向いた時だけ行うが、時には農作物や薪などを盗んで、捕まると哀願するというのを繰り返す。父子、特に父はパンクなのか哲人なのか、それとも単なる人間の屑なのか。陣痛に苦しむ妻が見殺しにされる最終場面で、ダリトの中での内なる抑圧の構図が炙り出される。ザミンダールが祭りを催す場面でランバーディ・トライブの女性たちが大挙して現れる場面があった。

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