Color Photo (Telugu/2020)をオンラインで。
テルグ映画としては珍しくカーストの問題を扱っていると読んだので。しかし全編を通して「カースト」の語は一か所のみ抽象的な言明の中に出てくるだけで、残りは全部「肌の色差別」となっており、ちょっとこれは腑に落ちなかった。「肌の色」がカーストを意味していることは全体の文脈からはほぼ明らかなんだけど、どこまでも肌の色論法で通し、例えば「インドを支配したイギリス人が白人ではなく黒人だったら、我々は今日色白を崇めていただろうか」という演説が入り、カースト問題と人種問題のロジックが混同されている。まさにスキンディープというか。語りはもっさりしていて、特に前半は忍耐が試される。ほぼ結末が見えてしまう異カースト間恋愛の道行きに変化を持たせようとしてだと思うが、倒叙的なナレーションを導入したようだが、あまり効果があるとは思えなかった。この辺り、タミルのダリト作家たちの巧みすぎる話法とつい比べてしまう。アクションシーンで自身の尾のプラミッドの上に座るハヌマーンのエピソードを重ね合わせたのは良かったが、ハヌマーンの位置づけへの掘り下げはなかった。