Paava Kadhaigal (Tamil/2020)をNTFLXで。
質の低い日本語字幕付き。邦題は『不徳のアンソロジー』、これも酷い。名誉殺人をテーマにした4作品で、1作目は性的少数者、2作目は異カースト婚、3作目はレイプ被害者、4作目は異カースト婚、それぞれの当事者に家族が加える暴力を描く。いずれも印象的なストーリーで、配された役者も適材適所でいい芝居をしている。ただ、特に第1話でのエクゼキューションのもたつきが気になり、ちょっと醒めてしまった。役者では、体を絞ったおかげでまともになったシャンタヌ、普段は好きじゃないけど、これ以外の人材はあり得ないと感じたカルキ・ケクランが見つけもの。安定の上手さはアンジャリとプラカーシュ・ラージ、サーイ・パッラヴィ。ガウタム・メーナンはやはり演技はしない方がいいのではないか。全盛期を知る者にとってはシムランの姿に痛々しいものを感じざるを得ないが、一番怖いキャラクターだった。カルキとアンジャリの長々としたキスシーンは、タミル語映画においては革命的だったかも。種明かしの部分に若干無理なものを感じたが、暗く血腥いストーリーの連続の中では救いになった。