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Karnan (Tamil/2021)をBDで。 

見終わってから24時間近くたったのだがまだ考えがまとまらない。色々読みたくなるタイプの作品。感覚的に言えるのは、マーリ監督の前作からさらに映像の美と迫力が強力になったこと。音楽の一つ一つが見事に彫琢されていて、ゆっくり味合わなければいけない気にさせる。それからダヌシュの演技者としての見事さ。人気者のダヌシュがスクリーン上にいるというようりは、役を皮膚のようにまとって物語世界の中にいる感じ。神話をそのまま現代に移し替えたストーリーでは全くない。神話と照応する名前はむしろはぐらかしのために使われているのではないかとすら思える。足を縛られたロバなど、象徴的な事物は多く、象、仏像(?)、魚、宝剣、馬などなど、一々深追いしたくなる。もっとも印象的で美しいのは、死者の霊がまとう仮面。あの造形は発想源があるのかどうか。また馬には、夜に徘徊する騎馬の神との関係があるのか。それから北チェンナイものでよくある壁面に直描きする肖像も印象的だった。棒で殴るというバイオレンスは通俗映画の中ではほとんど準備体操のようなものだが、実際には致死的なものだと思い出させる。

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