Jagame Thandhiram (Tamil/2021)をNTFLXで。
日本語字幕付き。邦題は『トリッキー・ワールド』、翻訳は藤井美佳氏。とても楽しかったが、見終わってレビューを漁ると案外渋いものが多くて吃驚。スリランカ移民のエピソードはあまりにも図式的に思えたけど、主要ポーションであるイギリスの部分には、これまでのインド映画のエキゾチズム優先の観光客目線のものではなく、深々と冷え込む感じがしっかりあって、なおかつ絵としても美しくて非常に良かった。降りしきる雪の中でのダップ太鼓をたたく葬式が印象的。ダヌシュは最初から最後まで謎の戦闘力と強運をもったトリック・スター(ハードモードのマーリ)として描かれるのかと思いきや、180度の改心があってそこで物語が引っくり返る。子の改心がやや弱いか。そこで改心するならそもそもあんなことしなかったろう、という意味で。不勉強でしたで済むことと済まないこととがある。最後にはまたトリック・スターに戻るのだが、これが一番のスッキリしない点。ピーターの最終兵器に弾が装填されていなかったのはなぜなんだろう。リトル・インディアじゃなくマドゥライとしたのは天晴。