Billa (Tamil/1980)をYTで。
久しぶりの字幕なし。アジットのリメイクを見た記憶とWPDの粗筋とで類推して鑑賞。さすがに古色蒼然とした部分もあるが色々興味深い点があった。ギャングのドンに入れ替わる後半の主人公が、流しの芸人で、effeminateと評される女性的なメイクや振りをする人物であること。しかし、この時代のストリート・シンガーはまだダップやウルミを従えてはいない。北インドのものを思わせる両面太鼓が主な伴奏。そのキャラ名ラージャッパンを、芸人の同僚であるマノーラマだけは「ラーサッパン」と発音する。チェンナイを舞台にしたカーチェイス・シーンが何度かあるのだが、出てくる車は皆アメ車みたいなシェイプをしていて、アンバサダーとかは全くいない世界線。メインヒロインのスプリヤーはどっしりと横に広がっていて、ちょっとどうかと思うのだが、お約束で水着姿も披露している。ヘレンもまたちょっとキモいメイクで胸の谷間を見せるためにだけ出てきた感が濃厚。室内シーンの多くがゴージャスというよりはガランと大きい場所で、もしかしたら「バーシャ」と同じくムンバイのホテルか何かで撮ったのかもしれない。