Kettyolaanu Ente Malakha (Malayalam/2019)をオンラインで。
昨日のTGIKを見てはたと気づいたんだが、ここのところのマラヤーラム映画ではミソジニー批判の作品がやたらと目立つ。Kumbalangi Nightsみたいに大ヒットしたのもある。それで本作が思い出されてやっと見た。図柄だけ見るとほのぼの田舎コメディー風、だが実際はドメスティック・レイプを扱うというので。これは凄い、途中3分の2ぐらいまでは傑作の予感に打ち震えてた。主人公が自然の中で覚醒するシーンで最高潮となり、その後失速。よくあるラブコメのハッピーエンドパターン(別れが見えて愛を悟る)に落とし込まれ、モラル的にも問題のあるエンディングに。カップルが受けたカウンセリングを描写しなかったのも気になる。ただ、アーシフ・アリの演技者としての覚醒ぶりにはこちらの目が啓かれた。田吾作であるが社交的、一方でインド男にありがちな極度の鈍感、マザコン、潔癖症、などなどの側面を見事に一つの人格にまとめ上げて演じた。見た目にも、臆病で繊細な青年と角刈りの農家のオッさんとが明滅して、目が離せないものになっていた。