I (Tamil/2014)をYTで。英語字幕付き。
4~5年ぶりに見た。その後の『ロボット2.0』を見てからの再見だと味わいが増す。両作ともメッセージは極めてシンプル。まだルッキズムという言葉が大衆的に使われる前の作品だが、おそらくは人類が社会生活を始めた頃からあるであろう美醜に基づく差別や不平等を極端な形でこれでもかと提示して断罪する。舞台をモデル&広告業界に置いたのはハマりすぎ。そして極端に美を求める志向のグロテスクさを表すのに、目にもまばゆい美しさをこれでもかと突き詰めることにより、脳をジンジンに痺れさせる。シャンカル監督の蕩尽的なビジュアルにはもう充分な経験があるので驚かされないぞと決意して臨み、やはりその異常イメージの炸裂にキーンとなって打ちのめされる。インドでは広告業界は急成長産業で、数十秒の映像に溢れんばかりの資金を投入し、1秒当たりのバジェットも大層な額になるはずだが、シャンカルはそれを3時間ぶっ続けでやった感じがする。具体的な数字は分からないが。グロテスクな復讐が、ヴィジュアルとしてはかなり笑えるものになっているのも見事。トランスフォーマー・ソングはロボットの萌芽か。