1987 ある闘いの真実(1978일구팔칠/2017)をオンラインで。
韓国文化院の「韓国映画特別上映会」の第5回。歴史のノスタルジーと、現在の韓国の左翼系政権のよって来るところとを感じさせる秀作。善と悪が割とはっきり分かれていて、知力体力を使った戦いが痛快でスカッとするポリティカル・スリラー。コスタ・ガブラスを思わせるところがある。プロパガンダ映画に転ずるギリギリの線で踏みとどまった感じ。特にジャーナリストの描き方。しかしまあ、この87年に、日本では88五輪を控えて何となく友好ムードが醸し出されて「韓国文化の発見」的な言説が多かったんだよなあ。キム・ユンソク演じる対共捜査所の所長の描写が凄い。要するに対北朝鮮に特化した国の諜報機関なわけだが、やってることは北の諜報機関と同じ過激さ。やっぱりコリアはひとつ。それから教会が反体制運動の表舞台に立ったという部分の描写が劇的すぎて言葉を失うほど。また、黒塗りで乗り付けて料亭=妓生ハウスで密談というのの描写が日本の料亭のそれとほぼ同じでため息が出た。