恋に落ちたシェイクスピア(USA/1998)をNTFLXで。
コスプレものが止まらなくなって手を出した。ラブストーリーとして特別に胸キュンになるものではない、それからヒーロー役俳優の容姿と演技にはかなりデタッチ気味。ただ、「もうひとりのシェイクスピア」でもそうだったんだけど、木造の劇場やバックステージのあれこれが堪らないんだな。野卑な歓声を上げる観客との距離が近く、客席には階級の溶解の可能性もかすかにある。再現されるドラマ自体も、アホ臭いコメディーあり、怪我しそうな剣戟ありで、ほとんどインド映画だもの。男が女を演じ、女が男のふりをして男を演じ、女が女の役を演じる男の俳優を演じるというたたみかけがが良い。最後に黄門様が出て来て大岡裁き。それから新大陸というものが持つ意味合い。16世紀英国の濃厚なコスプレ物を見ていると、英国あるいは狭いヨーロッパの中でドロドロに争っている閉塞的なものを感じることが多いけど、そこに可能性の大地としての新大陸の映像を加えると一気に視界が開けるあの感じ。シェイクスピア作品からの引用のいちいちに関してはここで読める。https://ci.nii.ac.jp/naid/110004649101