エリザベス:ゴールデン・エイジ(UK/2007)をNTFLXで。
前作から9年を経ているとは思えないくらいの作風の揺らぎなさ。好物の「ワルツ以前の西欧社交ダンス」も見られて満足。前作で若く脆く瑞々しい少女だったエリザベスが色々あって白蠟化してジャッキーンとなるクライマックスを持ってきて見事だったが、本作でも結局のところ再度のジャッキーンが山場となった。今度は戦争という巨大なストレスと中年の危機からの立ち直りで。今回もまた衣装が表現の鍵。前作から思ってたけど、この衣装、正確な時代衣装のようでいて、どこかにロンドン・アバンギャルドがある。中年の危機の演出として、侍女のベスという存在をアルター・エゴとして提示したのは出来すぎのような気がしたが、後から実在の人物と知り吃驚。それから、スペイン王フェリペの娘でまだ少女のイサベラが非常に印象的だったが、これも後から調べると歴史的にはそれほど目立つ人ではなかったようで、ドキドキしたのをどうしてくれようという気持ち。メアリ・スチュアートの最期のシーン、貴人の処刑とはこういうものなのかと勉強になった。オーストリアの王子が英語に苦心していたところもよかった。