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『2人のローマ教皇』(英米伊亜/2019)をNYFLXで。 

予備知識なく臨み、つい昨日の歴史を題材に、今も存命中の人物をモデルに自由に組み立てたフィクションだと知り吃驚。80代と70代の爺さん二人の対話を125分間見せるというのが凄い。凄いしズルい。カトリック界の頂点に立つ二人が時代衣装(教皇や枢機卿の衣装はルネサンス期のものとほぼ変わらない)で対面すれば、何をしてもビジュアルな驚き(その背景がシスティーナ礼拝堂だったりする)だし、時にかわゆい。場面場面で言葉が切り替わるのも非常に知的な部分をくすぐる。保守派と改革派、ヨーロッパとラテンアメリカという対立軸を持ちながらも、二人の対話は結局のところ、「神の声を聞いたかどうか」というシンプルなものに終始し、高踏的な神学論争には行かないところが好もしい。冒頭で航空券を予約するシーンが描かれる、新教皇のランペドゥーザ島行き(これは実際にあった)にはどんな意味があったのか。コルドバ(アルゼンチン)のシーン以外に視界の広いシーンがない本作、ランペドゥーザ島のビジュアルも欲しかったところ。

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