Dear Zindagi (Hindi/2016)をNTFLXで。
邦題は『ディア・ライフ』。翻訳はインド映画字幕翻訳の第一人者なので見やすかったが、歌詞に全く訳がなかったのはなぜなのか。近年低迷中のSRK作品で例外的に良作と聞いたので見てみれば、何のことはない「拡大カメオ出演」だった。それでもやはりこの人の表情の作り方やセリフ回しには何か宜えないものがある。主演はアーリヤ―だが、最初の30分ほどは「なぜ独りで立つ女性をヒロインにすると、衝動的なキレキレとして描くことになるのか」といういつもの疑問が。後半になるとそこには一定の理由があったことが示されるのだが、スッキリしない部分も残る。幼少期の孤独がヒロインを不安定にしたのは分かる。だが、前半で示されるヒロインの行動に本当に問題があるのか。解決されるべきは不眠であって、BFをとっかえひっかえすることではない。その辺りの区分けが観客に十分に示されたか。「不品行な女がセラピーによって正道に戻った」話として受け止められたら堪ったものじゃない。両親に向かって啖呵を切るシーンなど胸のすくもので、「これが問題と言うなら治って欲しくない」と思った。