Ayyappanum Koshiyum (Malayalam/2020)をUSAPで。
久しぶりにガツンとやられた一作。ほのぼの田舎コメディーかと思いきや、全編くんずほぐれつの殴り合いド突き合い罵り合いの176分。部族民ルーツで、生母を捨てたらしい父にあやかりナーヤルの名を持つ初老の警察官と、クリスチャンの名家出身で陸軍少佐を退役したまだ若い男とが、禁酒地区への酒の持ち込みで揉め、退役軍人の方が拘留に対して度を越した復讐をしたことで戦いの火蓋が切られる。両者ともにマチズモの塊なので、何らかの仲介者が間に入ることを嫌うのだが、否応なしに様々な人々を巻き込み、却って騒ぎが拡大する。退役軍人の父役のランジット、警官の妻役のガウリ・ナンダもいいキャラで、なおかつ好演。しかし見せ場は何と言ってもビジュ・メーノーン。定年退職を目の前にしているのに乳飲み子がいる。必殺技は背後からの抱きつき●●。神話の世界と現代の階級格差の世界との両方を生きる男。そうした重たい世界を背後に持ちながらも、2人の最後の決闘は、あらゆる影響力を排するために、制服を捨て、影響力を捨てるために隣州の集落に場所を移して行われる。