パプリカ(2006)をNTFLXで。
『狂つた一頁』(1926)は見ていないのだけど、同作の映画作家が現代に生きていたらこういうものを作ったのではないかと思わせる大正ロマン的不条理夢幻劇。『ルシア』のように、胡蝶の夢を哲学的に展開する部分、そして夢見る装置としての映画への愛なども組み込まれた、イマジネーションの奔流のような90分。こういうのを見ると、2000年以降の日本映画で最も才能ある人材は全てアニメに流れたのではないかという性急な決めつけに走りたくなる(自制しないと)。これまで『千年女優』しか見ていなかったけど、現実に夢を入り込ませて魔術的な世界を構築することにかけては第一人者であると確信した今敏は、やはり全作見なくてはという気になった。