Ente Ummante Peru (Malayalam/2018)をUSAPで。
ポスターから読み取れる情報以外の予備知識ゼロで臨んだ。やはりまっさらからの鑑賞は楽しい。要するにマーピラ版『母をたずねて三千里』なわけだが、途中はもしかして『菊次郎の夏』になるのじゃないかと思い、半分ぐらい当たった。甘えん坊で若干トロめの青年と、がさつで生活力旺盛な継母とが、青年の生みの母を訪ねてタラッシェーリからラクナウまで出かけていく。タラッシェーリの田舎感はとても良いし、対するラクナウも、これまでのサウス映画で描かれた北インドの中では特段にリアリティーがある。観光ガイド的イメージは極力退けられている。ただ、生母と父との関係が完全に説明がないこと、ダンスと現在の生母との関りに引っ掛かりが残る。ウルワシとトヴィノの掛け合いは、たぶんネイティブ観客には絶妙なのだと思う。字幕をヨチヨチ追って読むだけでもその感じは分かる。演技賞はウルワシ。かつてならKPACラリタがやっていたようなキャラを血肉の通ったものとして演じきった。トヴィノの方はOru Kuprasidha Payyanから続いてのバカの子ちゃん。