Avane Srimannarayana (Kannada/2019) を川口スキップシティで。
怒涛のサンクラーンティ公開作のラスト。いやもう凄い経験だった。ストーリーを後からダイジェストしようとしてできないんだ。普段やらないけど、重要なエピソードを書き出してみて、各エピソードのつなぎがどんなだったか思い出せない。ともかく混沌とした物語世界に引きずり込まれて、不吉な曇天の薄明の中で砂塵を浴びていた3時間という感じだ。これほどリプレイしたいと感じる作品はここのところなかった。仄暗さの中に蠢く魑魅魍魎を目を細めながら見ていたというか。主人公のことを、とある日本語のレビューは「内容のないポップアートなヒーロー」と称した。これは「トリックスター」と言ってもいいのかもしれない。神話からの引用は縦横で、知識が全然追いつかない。悪役的な人物にすら、ヴィシュヌ系の名前がついている。クリシュナ・サティヤバーマの話で有名なパーリジャータ樹が全然違う文脈で出てくる。神々とアスラとの共同作業としての乳海撹拌に本作全体のストーリーが重なりそうな気もする。ダコイトの争う兄弟はジャヤとヴィジャヤの転生にも思える。