Narasimham (Malayalam/2000)をDVDで。
正月らしく楽しいものを見ようかと思ってたけど、書き物をしてたら参照の必要が出てきたので再見した、14年ぶり。初見時に全く楽しめなかったけど、その後多少知恵がついたから知的な部分で興味が湧くかと思ったけど、やはりどんよりしてた。伝統的なナーヤルの旧家を完全に父権的な装置に変換した(しかも核家族)というのが凄い。本作が嚆矢ではないのは知ってるけど。まるで母系制への復讐。初見時に全く頭に入らなかった複雑な人間関係は、メモを取りながら見たら整理はできたが、悪役を分散させるのはドラマとしてどうかと思った。まあこれはニューウェーブから全否定されるわな。おっさん祭りの一方で女性は3人しか出てこず、しかもラベリングがはっきりしてる。泣き崩れるおかん、清純で可哀想な妹、おキャンで現代的な恋人。これが怒濤のブロックバスターになったというのは、逆に文芸的な繊細な映画に行き詰まりがあったということなのだろう。監督のシャージ・カイラースはそういえば最近聞かないと思ったら、2010年代に入ってからは本数が落ちてしかもフロップ続きになっているようだ。