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『燃えよスーリヤ』Mard Ko Dard Nahi Hota (Hindi/2018)を試写で。 

痛みを感じない病気を持つ男が、幼児に体験した暴力に復讐するために格闘技の道に進むというストーリー。ジャンル映画という形容では足りない、全きオタク映画。モチーフのオタク的読み解きはプレスに詳細に記されていて、とても自分などが口を挟める世界ではない。冒頭のチル・オマージュには痺れたが。そういう細かいことを超えて、インド映画というものが持つ痛覚のなさが皮肉られているのではないかとも思ったり。「それ、絶対死んでるだろ」という身体的ダメージを負いながら、根性と情念だけで戦ったり歌ったりする登場人物というのは80年代を頂点に、普通のメロドラマなどにも全く断りなく現れていた。テルグやタミルなんて今でもそうだ。それに対して無痛症という合理的説明をつけたのは進歩なのか後退なのか。ともあれ、女性がカッコよく暴れる映画は気持ちいい。どこまでも昆虫の生態観察風なクールなナラティブはパスティーシュという意図を明確にするためか。ぞっとするような怪我のシーンでも、怪我を負った人物が痛がっていないと割と平気なもんなんだ。

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