Dear Comrade (Telugu - 2019)を川口スキップシティで。
難しい映画だった、アンガー・マネージメントに問題を抱える男子が失恋でどん底に落ちて、そこから這いのぼる、それだけなら明解なんだけど、そこにセクハラで人生の目標を失った元カノを助けるという要素が絡まり、その助け方について色々と議論が出たようだ。ロジックとして弱いのは、インド北辺旅行で男子が立ち直るプロセスがイージーなところ。それから精神病棟に隔離されている女子を男子が攫って連れ出して、ごくごく短い旅行で回復させるとこ。テルグ映画らしいオプティミズムと言ってしまえばそこまでだが。生きる目標を失った女子が結婚を求めるのを断るあたりは新時代的価値観を反映したヒロイズムの発露なのだろう。ただその後、女子の望みを打ち砕いたのがセクハラだったということを知って相手のオフィスに討ち入りに行くというの、克服したはずの暴力的性向が戻ってきたのはいいのかいと思ってしまう。そして公の場での裁定にまでもちだして、最後の土壇場で女子の気持ちを知って自分の問題提起が虚偽だったというあたり、もう遅すぎじゃんと言う気がしないでもなかった。