Parava (Malayalam - 2017)をDVDで。
一昨年だったかに字幕なしで劇場で見て、ほぼ撃沈された一作。一般娯楽映画に比べるとセリフは極端に少ないのにも拘わらず、映像の連関が全くつかめなかった。ただ、監督のサウビン・シャーヒルがアート志向を持っていて、カメラマンがそれに完璧に応えたということしかわからなかった。しかし英語字幕付きで見ると、初見の際に辛かったセリフなしの長いシーンもその意味付けが分かって、あまり長さを感じなくなる。マッタンチェーリという極小の、その中でもムスリムコミュニティーの中での息苦しい諍いと、空にハトを放つことで得られる爽快感との対比。ハトの飼育と飛翔競技はイスラーム文化伝来のそれなのか。ともあれ、何の知識もなしで臨んでも、最後のほうではその競技のおおまかなルールは分かるようになっている。二つほど分からなかったのは、中盤で唐突に少年たちが競技凧に夢中になるところ。短いエピソードの後、話はすぐにハトに戻るが。それから監督自身が演じる悪役の性格付け。ヤク中とした意味、それ以外のバックグラウンドの不明さ、バイク炎上のシーンでの奇態なコスチュームについて。