2017年のベトナム映画『ベトナムを懐う』(Dạ cổ hoài lang)を試写で。
こちらは北米のベトナム移民を扱ったメロドラマ。ありがちな一世と三世の世代間ギャップとか、行き場のない老人の悲哀とかが描かれて、ああこの展開ねと油断してると、途中からバディ・ムービーに変わっていき、これが泣かせどころとなる。ただ、一世と三世(厳密な言い方ではない、一世の方が後から来たんだから)に挟まれた二世の悲劇的なエピソードにどうもリアリティーが感じられなくて、そこがひっかかった。実話なのかもしれないけど。後から解説を読んで知ったが、元はヒットした舞台劇だそうだ。それから劇中の「S字」についても解説で読んだが、これは解説読まないとわからないというのがちょっと勿体ない気がした。エンドロールにはトロント市が協力したことを示す各種クレジットが続いたが、設定はあくまでもNYで押し通してる。これはちょっとインド映画みたいだと思った。主人公の青年期を演じた俳優の切れ長の目が鮮烈で、その切れ長の目が、老年期を演じる俳優にもそっくりそのままあるのが凄いことに思えた。