Srinatha Kavi Sarvabhowmudu (Telugu - 1993)をDVDで。
もうNTRの字幕付きDVDは見尽くしたような気になってたけど、ディスクに放り込んだら英字幕が出た。ちゃんと実見して確かめないと。1996年に没したNTRがその3年前に出た最後の作品。ヴィジャヤナガラ朝の伝説的な歌聖を演じるNTRは妖気に満ち満ちていてとても初心者にはお勧めできない感じ。それでも80歳の歌舞伎女形の人間国宝の芸を見るような楽しみはあるのだ。息子たちにはどうあがいても真似のできないある種のエレガンスはあちこちに顔をのぞかせる。本作はNTR主演作としてだけでなくバープ監督としての見どころもある。女好き、といっても美女を目に留める度に一句捻る、という無害な好色爺という性格の前に次々と現れる美女たちの演出。まさに絵師としてのバープの美学がスクリーン上に繰り広げられる絵巻。芸道ものでもあり、バクティものでもある終盤の展開は、よくあるパターンと分かっていてももらい泣きする。テナリラーマもそうだったが、カンナダ語とテルグ語が共存するヴィジャヤナガラ宮廷と言うのは、独特の言語世界観は独特。