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『ソロモンの偽証 前編』 

日本人が大好きな学園ミステリーで、洋画ではこのタイプの作品は全く思い当たらない事からも日本特有のジャンルと言っていいだろう。
高校の高学年ならともかく、小学生に毛が生えた程度の日本の中学生が校内裁判とか現実に100%ありえないので作り物感がしてならない。
ミステリーとしては、前編だけで真犯人臭いのが分かってしまう。それは他校生のくせに事件に割り込んでくる者だが、何で不自然極まりないこんな設定にしたのか理解できない。やはり宮部みゆきという原作者がミステリー作家としてヘボだという事か。
俳優陣は子役を含めて良く頑張っていたと思う。特に朝ドラでも独特なキャラで存在感のある主演の藤野涼子はグッド。

@kiyoitan0248 印象は若干変わりますが、良いものは良いし、ダメなのはやはりダメですねw

同じ映画をテレビで観た後にPCで観ると、女優の顔の細かいシワまで確認できてしまい、随分印象が変わってしまう。

PCで映画を観るのに抵抗が無くなったが、やはり音がショボいのは我慢できないので、Bluetoothスピーカーは必需品。

『ブレックファスト・クラブ』 

シンプル・マインズの主題歌が全米一位になるなどアメリカではヒットしたのに、日本では少し話題になっただけの作品。
何故かというと、土曜日朝の補修授業に来た高校生達の僅か半日の群像劇で、ドタバタや熱烈な恋愛劇が無いから。
舞台が図書室と廊下だけなのでさすがに退屈だが、終盤になると登場人物達が本音で語り出す。
少し変わった青春映画のスタイルではあるけれど、日本人にウケなかったのも納得。

『愛の渦』 

多分現実にはない、有料の風俗営業なのに乱交パーティという舞台設定の群像ドラマ。
監督の意図なのか、女優達の演技力不足なのか、何度かある濡れ場が運動ジムでトレーニングしているみたいで色気も何も無しというのが致命的。
むしろコメディにしてドタバタも入れたら、面白い作品になったかもしれない。
この映画の救いはナマ乳をたっぷり拝ませてくれる門脇麦だけだが、喘ぎ声はもう少し研究して色っぽく出して欲しい。

『吸血髑髏船』 

怪談ミステリーとしては王道の作り。金子信雄、小池朝雄、内田朝雄に西村晃というベテラン脇役陣がいるため結構楽しめた。
ただし、白黒だからいいものの特撮はかなり雑。重要な小道具のドクロとコウモリは玩具並の出来なので、ここでテンションが下がる。
主演は昭和のバラエティ女王松岡きっこ。無表情なところが怪談のヒロインっぽくてなかなか良かった。
ちなみに全くそんな場面はないのに、タイトルに『吸血』と付けたのは謎(笑)

『イット・フォローズ』 

ホラー映画は色々観たが、拳銃で撃ったら血を流して倒れるお化けというのはありそうでなかった気がする。
歩いて追いかけてくるだけのお化けが見た目がコロコロ変わるせいか、さっぱり怖くなかった。
ラストに何故わざわざプールに行ったのか良く分からないなど、ツッコミどころがありすぎる割には退屈だった。最初の犠牲者の死体がなかなかエグいので期待し過ぎたかも。
ホラー系には珍しく美形のヒロインだっただけに残念な作品。

『博徒一代 血祭り不動』 

市川雷蔵の遺作で任侠もの。鶴田浩二のキャラと被るので、雷蔵が出演を嫌がっていたという曰く付きの作品。
病気のせいか『若親分』の頃の眼力がなく、顔もやつれて見えるのが痛々しい。クライマックスの彫り物を見せる場面も上半身が痩せてしまって、迫力に乏しい。
話は王道任侠もので、雷蔵が主役でなくてもいいような印象。それにしてもヤクザの世界は義理だ人情だと、色々と面倒臭い世界である。

『サウンド・オブ・ノイズ』 

打楽器奏者を中心とした凄腕の音楽家集団が、四楽章による前衛音楽を従来の楽器を使わずに演奏する話。
一楽章は病院の手術場、二楽章は銀行の事務道具、三楽章は重機、四楽章は送電線と、スケールがデカくなっていく。
主人公の名門音楽一家の落ちこぼれの刑事と音楽の絡みはよく分からなかったが、発想は斬新で面白かった。

映画館で見たのは映画、自宅で放送やディスクや配信で見たのはテレビだという古臭い考えの人、絶対いると思う。

『若親分』 

市川雷蔵の任侠もの人気シリーズ第一作。
明治末期の日露戦争の頃という時代設定がいい。クライマックスの駅裏の対決で、本物のSLが爆走する中で悪役の佐藤慶一味と斬り合いをするシーンは最高!
問題が起こると一人で行って解決してしまう、組織のトップの鏡みたいな雷蔵はやはり格好いい。
もっとも先日まで海軍士官だったのに、上半身に見事な彫り物があるというのは少し変ね(笑)

『兵隊やくざ』 

女性映画の名手、増村保造監督の何とバイオレンス・ムービー。
主役は満州駐屯の日本兵達なのに、戦争シーンが全く無しというのに驚く。
勝新はいつものパワフルなキャラ。何の役でもこなす田村高廣の上等兵が、なかなか格好いい。
現代ならこの上官と部下の関係はゲイっぽくなるところだが、あまりにも荒っぽい環境なのでそんな気配は無い。
有馬頼義の原作も読んでみたくなった

『コーヒーをめぐる冒険』 

あるニートな青年のツイてない一日を描いたドイツ製青春映画。
コーヒーを飲みたいのに、何故かなかなか飲めないという小技が伏線になって最後に繋がるというのは予想通りだけど良かった。
他にもクスリと笑える場面が沢山あって、特に素人演劇と幼馴染の女優のエピソードが面白かった。
白黒映像はともかく、レトロ・ジャズの音楽はもう使い古された演出という感じ。意味不明の邦題も何とかして欲しい。

『ドアーズ』 

ドアーズの3人が監修なのである程度実話なのだろうけど、これではジム・モリソンが単なるアル中でジャンキー&女好きなロクデナシではないか。ちょっとあんまりな気がする。
ライブのシーンはなかなかの迫力。恋人役のメグ・ライアンはやはり場違いな感じ。

『悪名』 

勝新の現代劇人気シリーズの第一作。外見もキャラも対照的な田宮二郎とのコンビが面白い。
王道極道ものではなく遊郭の女を足抜けさせるのに命をかける男の話だが、そこまで惚れ抜いたわけでもないので、どうもピンとこない。
水谷良重や中村玉緒にモテまくりの勝新。最初の人妻役の中田康子が美人で色っぽい。

『マルタの鷹』 

原作はハードボイルド小説の代表作の一つ。
フィリップ・マーロウのイメージが強いボガートだが、サム・スペードもなかなか様になっている。
お話はかなりややこしく、特に後半は殆ど会話だけで進むのでサスペンスとしては今イチ。
キャストでは怪優ピーター・ローレの存在感が一番光っている。

『炎上』 

三島由紀夫『金閣寺』の映画化作品。話の中身については深すぎて、とても感想をまとめて書くことができない。
主役のナーバスで気の弱い青年を、市川雷蔵が完璧に演じている。同じ役者が、この数年後に眠狂四郎や机竜之助を演じるというのも凄い。
仲代達矢も相変わらずの爬虫類キャラで、インパクト強し。

余程不入りなのか、ハクソーリッジもう一日一回上映に格下げされてる(*_*)

9月公開のエイリアン・コヴェナントのレビューがもう沢山投稿されているが、英語のセリフを理解しての上のことなのかね。自分はやはり、字幕読まなきゃ鑑賞したと認められないけど。

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