『22年目の告白-私が殺人犯です-』
アバンタイトルが凄く良い。被害者の前で、これでもかと人間の首を絞めつけて絞殺するのを見せ付けたい執念に駆られてるのは面白い。サイコパスの造形は興味深く、後半そいつの腹の中に飛び込んでいく気味の悪さ。
中盤の生放送が長すぎる。退屈っていうよりも、この場面を維持して引き伸ばされていく感覚が辛い。あと、暴かれるタイミング・ココで明かすのは軽率で、致命的。自分からホイホイ説明したがるのも関心しなかった。結果的に、ハメる事には成功してるが、打算的ではない。当てずっぽうだ。
冒頭空撮から、階段を降りるアクションとか、過去回想での追いかけっことか、そういった身体を動かしたアクションの見栄え、行動を全体で捉える視野の広さは良のに、後半ドンドン内向きになって、狭い空間で粘着質な演説を始めてしまうのが、つまらない。
過去の絞殺映像と、過去に起きた阪神・淡路大震災、この二つの古い記憶を呼応させたのは巧い。絞殺を捉えたフィルム映像のハッキリと映らない暗い映像と、震災と共に起きた火災を捉えた映像は同一の災厄。とても過去を直視できない。でも、直視しなければならない。