『夜に生きる』エル・ファニング最高
エル・ファニングが素晴らしい、神がかっていた。端正で美しい聖母なのに、どうしようもないくらいにドス黒いバックボーンを抱えている。聖痕を見せるタイミングも洗練されており、彼女の演説シーンの強烈な説得力と、グロテスクさが際立っている。登場時間は短いのに、後を引く。事の顛末を陰惨な暴力に帰結するのも、主人公を追い込む事に直結して煉獄。
過去の女、現在の女、聖母のような女と、主人公をサンドイッチにするよう女性を配置しているのが面白い。聖母の影響下にある“白”は特に強力で、終盤に会談へと向かう主人公は白スーツに包み込まれていて、聖母の加護が宿っている。この白スーツがベン・アフレックにとっては、絶妙に不恰好で窮屈そうで、逆にイイ。彼に“白”は似合わない。
まぁバットマンだし、やっぱ黒じゃん。