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・ファイヤー
閉鎖された工場内の広々とした空間で、相手に狙いを定めないで雑に銃をぶっ放し続けるもんだから、全員なかなか急所に当たらず死なないまま這いつくばりながら、全編ギャーギャー喚き騒ぐという、滑稽なコメディのアイディアは良かった。問題なのはアイディアを映像にして、面白く仕上げる技量が足りていない点。滑稽なコメディとして仕上げるべき所なのに、滑稽さがなかなか浮き彫りにならない。滑稽な銃撃戦を滑稽に見せきれてないのが致命的。全編のカメラワーク・映像編集が、人物同士の立ち位置を観客の頭に刷り込まないような作り。まず滑稽さより彼等が何処で撃ち合っているのか、位置関係が把握出来ないむず痒さが続く。然し、この把握し辛さが意図的な演出として汲み取れなくない。顕著なのが狙撃者の存在。誰に雇われているか分からない謎の狙撃者の乱入で、混迷した人物たちの視点を映像に反映すると、観客には全体を把握出来ない演出になったという事。ただ、この汲み取り方が不本意なのは、前述した通りに“むず痒い”。相手の位置・素性が把握出来ないという映像が、主題に絡むなら言いが、そういった気の利いた物語でもない。イマイチ。

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