クライムズ・オブ・ザ・フューチャー ※メモ
どのように見るべきか未だわからない一作。
単純に、痛み=快楽、内蔵の美ではない気がする。息子クローネンバーグの方がわかりやすい映画を撮っていたことよ。
無痛の世界ゆえに身体を切り開き、世界と接することが悦楽として処理されるのか。同じ苦痛を味わうこと自体がセックスであり、他者に人体が切り開かれることはセックスと同様。ただし何も産まない。
臓器の生成が身籠ることと同義ならば、処女懐胎か? しかしそれらは人体で機能し続ける前に摘出され見世物となる。
マイクロプラスチックをすでに人体に取り入れている現人類。身から出た錆である有害なプラスチックを食物として摂食する大義は頓挫する。政府は人間のさらなる進化を望んでいない。
クライムズ・オブ・ザ・フューチャー ※メモ
痛みとセックス、内蔵への欲情よりも摂食についての物語ではないか。
イート・チェアという消化補助器具が出てくるが、腰掛けている間はがたがた揺れ、まともに食事を取ることができない。本作の食べることへの不快さはヤン・シュヴァンクマイエル並だ。(個人的にすげえ不味そう第一位は『オテサーネク』)
そうした中で、猛毒プラスチックバーをかじり涙を流すヴィゴ・モーテンセン。椅子の停止は生命維持ができなくなったことで消化も不要となったゆえのもので自らも肉体からの解放を喜んでいるのか、臓器多産性質の彼はすでにプラスチックを消化する術を得ており、ようやく食べられるものを得たことによる安寧の涙なのか…。
まとまりがつかないのでどうしたらいいのかわからんこの頃です。
裸のランチ4K楽しみですね。