オカルトの森へようこそ
白石晃士監督ユニバースの総括ともいえる、モキュメンタリーPOVサイコホラー。長時間集中して見続けると手ぶれで酔う。
『オカルティズム』で一世を風靡したものの、燻るホラー監督黒石の下に心霊動画が送られる。取材を行う最中、異常な超常現象がつづき、神を降ろそうとする『祟りの森』たるカルト集団へ潜入する。
『オカルト』→『カルト』の暗渠的続きなのでは?と思わせる「霊体ミミズ」の出現に「NEO」を思わせる最強金髪霊能力者、異界の神を呼び寄せる儀式の招き猫風動作の「ァア〜」。『コワすぎ!劇場版』と『カルト』で見られた超常現象とバトルの釣瓶打ち。異界の神降ろしの本格的阻止と、超常現象バトルはあまりに長いし回数が多く飽きる。
「少女含め全員殺せば蘇る」と告げて殺される能力者を信じて大量殺人を行う流れは、『ある優しき殺人者の記録』。結果として最善の方法だったが、倫理的に危ういのではと落ち着かなかった。
バス逃走、銃火器で対応する宇野祥平のキャラクターがよかった。
「異界の邪神降ろし」をほぼ同じ表現で何度も映像化する白石晃士こそが、異界の邪神を降ろしたがっているのではないか。