ザ・ハント
上映時の大仰な宣伝によって当時見る気をなくしていた一本。期待値が下がっていたので、意外と楽しめた。アダム・ウィンガードの『サプライズ』を前半にして、二本立てで名画座で見たい。新世界国際劇場であれば「庶民を弄ぶド外道所業許しておけぬ!死ぬのはお前だ!」等と楽しいキャッチフレーズを付けてくれることだろう。
鼻持ちならない金持ち似非リベラルの冗談チャットを真に受けた陰謀論者たちがネットで糾弾。社会的地位を失った似非リベラリストが、陰謀論者たちを拉致して彼らの望む人間狩り荘園ゲートを実現させる、夢のようなお話。
スラッシャー&サバイバルガールジャンルの定石を中盤まで外し、撒餌を軽快に散らしていくさまはジャンル映画として非常に楽しめる。全力のキャットファイトは大変満足感のあるものだった。
キモノガウンを前に文化盗用と罵りつつ、保身のために有色人種もターゲットにするあたりで似非さが透けて見える。
似非リベラルも保守派の陰謀論者も笑い者にするブラックな一本だった。
客室乗務員に対するの扱い、眼の前の人に対等に接する姿勢が全てなのだろう。
腹の裂傷をバーナーで焼く描写が非常によい。
ザ・ハント
自分の正義こそ正しいという視野の狭さを考えると、『ゲット・アウト』にも共通する点がある