ムーンライト
昨夜、少年期の実体験の夢を見た
映画のストーリーと舞台も役回りも道具も全く違うんだけれども、本作の影響下で見た夢であることは間違いない
この作品、海の向こうのアメリカの、日本人には縁遠いお話に表面上は見える
なのに、こんなふうに共感を伴って感動するのは、人種や性別や環境を越えて訴えるテーマの普遍性によるんだろうな
語り口が雄弁でない(主人公と同じく)だけに尚更そんなふうに引き込まれるのかもしれない
家族への思い、性への目覚め、恋人との葛藤…本作の主人公と全く同じ体験はないけれども、懐かしいような苦しいような、あるいは小っ恥ずかしいような既視感をずっと感じていた
それをじんわりと描き出すのがカメラワーク、色づかい、音楽
多少あざとく感じる場面もないではなかったけど、監督の強い意志を感じ取れる作品だった