すっかりポリコレに毒されているので最近は90年代ぐらいのハリウッド・アクションなんかを見ると「白いな~」とか思うようになってしまった。でも実際に今より白いし、あと男が偉い。
思えば90年代って全然実感ないですけどもう30年前なんすよね。たとえば50年代の若者が20年代のサイレント映画を見たらその人種観とか男女観とか動物の扱いとかを「古いな~」って思うだろうし、そういうジェネレーションギャップがあくまで思想の対立のようになってしまうのは、内容は変わっても映像技術の方はここ数十年で劇的には変わっていないので、「そういうものか」と古い世代が納得できる映像が映画の中にないからかもしれない、と思った。
その意味ではゲームは平和だ。時代の変化が具体的な映像の変化として実感できるし、プレイの幅が広がることが基本的には歓迎されるので、ポリコレのような考え方とは相性がいい。プレイヤーの要望に合わせてMODとかDLCで対応できますしね。
俺も含めて若い人は初めて自発的に触れる映像体験が映画じゃなくてゲームっていうパターンが今はもう多いと思うので、映像倫理も中性的で非人種的なゲームのものに準拠していて、だからこれからの映画はどんどんゲームになっていくんだと思いますよ。
押井守がそう言ったのはいつのことだかもう忘れてしまったが。