ジュピターズムーン
https://filmarks.com/movies/74106/reviews/43894067
物語的には粗いのだけど、胸がきゅっとなるような苦しさを感じさせる映画でもありました。現代のハンガリーを舞台にシリア難民の少年がテロリストの嫌疑をかけられ、逃げ惑う話。少年は亡命中に銃撃されたことをきっかけに宙に浮く能力を身につけるのですが、医師である主人公がこれを利用してお金稼ぎをしようとするうちに、次第に互いへの信頼を抱き始め、少年を捕まえようとする人々からともに逃げようとするという筋。宙を浮くというと『グラヴィティ・デイズ』のような楽しくかっこいいものを想像してしまうのですが、映像はかっこいいものの、少年は浮かない顔で手足をぶらぶらさせて宙ぶらりんになるばかりで、難民であるがゆえにテロの嫌疑をかけられてハンガリー内に居場所を持てず、しかし故郷もないという少年自身の寄る辺なさがその能力の描写に現れているかのようでした。
ジュピターズムーン
@frenchblue 映像と音楽がとってもかっこよかったですよー。