小人の饗宴(再鑑賞)
あらすじ:ドイツ郊外の小人の教育施設。日頃の不満を爆発させてクーデターを起こした13人の小人たちの話
監督は「ノスフェラトゥ」などで知られるヴェルナー・ヘルツォーク。96分と短いはずなのに物凄く長く感じる作品。
爆発した不満は動物を虐待し殺すことで鬱憤を晴らす。
この映画はすべの演者が小人症だ。健常者は一人もでてこない。しかし、決して物珍しさという好奇心に満ちた作品ではない。
トッド・ブラウニングの「フリークス/怪物團」と違うのは悪意に満ちてる点。ここに出てくる小人症は卑猥な言葉を吐き不快な笑い声をあげ残忍だ。
時として人は障害者に対して幻想を抱く。そのイメージをぶち壊すことで、ここには障害者も健常者もいない。根底にあるのは差別に対する批判だ。
なぜ怒りを健常者に向けないのか?ここには小人症しかいない。そう健常者も障害者もここにはいなくただ人間が存在しているだけだから。
ラストに小人がラクダを見て笑う。この嘲る笑い声が全てを物語る。
平等とは何かを痛烈に皮肉ってる。監督はさぞかし嫌な奴なんだろうな(褒め言葉)