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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない鑑賞。 

そうじゃないという知識はあるのに、ちょっと前(2023年)に「戦争が始まった」と思っている。この映画で目の当たりにするのは、私が思う「戦争」よりずっと前から、日常的に起きている光景。家財を勝手に搬出されて、重機で家をおしつぶされる。住む場所を追われて、銃を向けられる。そんな侵略者に土地を明け渡すか、暗い洞窟に住むかの選択。その上、この映画が撮られた時より今の方が、状況はもっと悪い。その事実が苦しい。
パレスチナとイスラエルの監督の友情と宣伝されているけれど、友情とはいっても、と思う。移動の自由がある、何より帰る場所があるユヴァルと、何もかも制限されてそこで生きていかなければならないバーセルの間には大きな溝があって、「友情」という言葉で包むのが、私にはなんとなく戸惑われる。何でもずかずか踏み込むことこそ友情だというつもりはないけれど、どこまでも遠慮しがちな友情なのではないか。

ノー・アザー・ランド 故郷は他にない鑑賞。 

とはいえ、ユヴァルだって安全ではない。パレスチナの側からは侵略者の仲間として見られるし、イスラエルの側からも裏切者と思われている。「フェイスブックで晒してやる」なんて言われたりしていて。
みんなに状況を知ってほしいから撮った映画が評価されて世界に知られるのは意義がある。でもそのために余計に、命を狙われたり暴力を受けることになる現状って、とんでもないな…。
などという、まとまりのない感想。あまりにも起きたことが、今起きていることが、重すぎて。

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