バティモン5 望まれざる者鑑賞。 

怒りの物語。貧困層の移民がスラムからすら追い出される、その出来事の苛烈さももちろんだけれど、強く頭に残ったのは何でもない押し合いくらいのことがちょっとしたきっかけでピリつくという表現。たとえば警官がヘルメットのガードをおろす仕草。あ、今ムッとしてる…と思った時にはもう空気が怒りに染まっている。あまりにもな横暴に、「暴力で解決するのは良くない」と思う穏健な私が「でもあいつらマジムカつくから車も家も燃やしてやろうぜ」と思う過激な私にちょっと負けそう。映画としては市長(行政)と市民の対立だけど、そもそも社会の構造があのエリアをスラムにしてしまっていて、そこを解決することって、簡単ではないだろうなぁ。アビーあたりは解決の糸口を見つける思考を持てそうなのだけれど。映画の中だけの問題ではない、とつきつけられる現実の重さも感じる。

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バティモン5 望まれざる者鑑賞。続き。 

スラムを一掃する市長が、良い人そう?穏やかそう?に見えるところがまた意地が悪いというか、私の先入観がダメというか。つまり良い配役ってことなんだけど。自分がちょっと怖い目にあったくらいのことで強硬策をとる(それだけが原因ではないだろうけど、そう見える)。野心のある小物…。問題を解決する能力はないのに横暴な決断はする。火をつけようとするブラズに、自分の子どもは助けてくれって言うの、見るに堪えない。自分はたくさんの人、老人から子どもまでの住居を奪っているのに!良い、悪い人の役だった。

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