クロース鑑賞。
スキンシップが多いご家族だと最初ちょっと思ったけど、その距離感がレオにもレミにも普通だった。眠れないレミを落ち着かせるのもビッグスプーン側なのもレオだった。レミは芸術家肌で少し繊細なところがあって、レオはお兄ちゃんがいたから(寂しくなって兄のベッドに忍び込んだシーンから考えても)レオはレミに対しての責任感というか、対等だけど兄貴分みたいな心があったのかな、と思う。それなのに、やんわりと突き放し、彼の心の傷から目を逸らした。薄っぺらくて細いあの体が、責任感と罪悪感で押しつぶされそうになっていたかと思うと心が苦しい。骨折して泣くのも、そういうことかな。ひっそり泣くことはあっても、あんな風に泣くのはあのシーンだけで、積もり積もったものがパチンと弾けた。直接言葉にはしない、激しい感情を表したりもしない。花畑で始まって花畑で終わる美しさと、そこに喪失の痛みと成長を織り交ぜる、そういう感覚の映画。