『心と体と』
後半に裸体やセックスの描写はあるが、それ以上に映画全体がエロいフェロモンでムンムン。
女性の服装からチラチラする胸や髪型、化粧、女性を見つめるようなカメラワークなど覗き見や凝視視線でとにかくエロく見せる。
かつてのミケランジェロ・アントニオーニの作品や最近ならスペイン映画『シルビアのいる街で』に通じるエロさ。決してピンク映画ほどの直球ではないが、じわりと丁寧に淡いエロスである。
全体的に青や緑、赤の入れ方にカウリスマキに通じる映像に一曲ながらも見事な選曲センス、マーリアが部屋で一人でいる時のレゴ人形遊びなど、派手さはないが絶妙なセンスの良さで見せる。
食べるシーンや性に繋げるまたは性表現が多い辺りに元東側の国だったハンガリーらしさを感じつつ、ハンガリー映画『タクシデルミア ある剥製師の遺言』に通じる物をハンガリー人のDNA的なものをふと思わせてくれた。