『ワンダー 君は太陽』
先天性の頭部・顔面の骨格の病気「トリーチャー・コリンズ症」により27回もの整形手術を受けた少年オギーが自宅学習から普通の学校に通う1年間のドラマ。
少年映画・家族の映画・そしてオギーの姉ヴィアによるハイスクール青春映画として優れていたアメリカ映画! 顔が変わっているというだけで容赦ない学校の同級生からの洗練とそれを受けるオギー、家族などの心情描写が細かく、かつこれを姉のヴィア、同級生のジャック、姉の友達ミランダなど複数の視点で群像的に見せ、ドラマが何層にも重なったケーキのように重厚な味わいになっている。
『ルーム』の主人公の子供がオギーを演じているので、中盤までの普通の学校に馴染まないフワフワ感が見事に出て、加えてジャックやいじめっ子のジュリアン他子供たちも心情表現が上手く、ドラマをもり立てていた。姉のヴィア、ミランダ編でも「孤独さ」を上手く表していたが、監督が『ウォール・フラワー』の監督と知り納得。
全体的に群像的な脚本以外はストレートな展開で、暗くはないがズッシリとくるアメリカ映画だった。