『BPM ビート・パー・ミニット』
アクト・アップ・パリスに参加していたロバン・カンピオ監督ならではの描写がぎっしり。
アクト・アップ・パリスのミーティングのシーンが秀逸。活発な論議は『パリ20区、僕達のクラス』の脚本家らしく同様の熱い論戦。拍手代わりの指パッチンや口笛など独特なムード。
ゲイ描写はストレートな描写ながら『ブロークバック・マウンテン』のようなゴツゴツさはなくイケメン同士のそれなのでかろうじて見てられるが、苦手な人はこの辺りでも無理かな。
エイズ、ゲイ、製薬会社というと『ダラス・バイヤーズクラブ』が思い浮かぶが、あっちはとことん製薬会社との交渉だったが、『BPM』はその点では過激。
どちらの映画もエイズと同性愛者のコミュニティながら『ダラス~』はカウボーイが多かったせいかわりとゴツゴツしたのが多く、これに対して『BPM』はいかにも同性愛者っぽい細身の青年が多かったし、女性も普通の感じ。このナチュラルな感じが『BPM』はリアリティで、同性愛者である監督ならではの手腕と言えよう。