今試写で見た『四月の永い夢』
恋人を亡くした迷える二十代の喪失感は良く出ていた。
中盤まで赴くままに流される主人公の姿になんの映画か捕らえにくいが、辛うじて3年前亡くなった恋人に対する後悔、喪失からのトラウマなんだな、となんとか伝わる。
そのもどかしさのドラマ。
やたら流れるラジオは意外にも重要な伏線だったりし、その演出で一本取られた。
が、前半に出てくる手拭い職人の彼を上手く使えなかったり、お蕎麦屋からの主人公に関するある大胆な出来事も生かしきれてはいない。おまけに途中で出会う少女も彼氏にDVを受けてる闇要素がありながらももうひとつ空回り。メインのエピソード以外の演出・脚本に練り込みが足りない。
全体的に低予算の日本のインディ映画というのが手にとってわかる作りで、そこに昭和の喫茶店のソーダ水のようなシンプルさがあるので、悪くはないと言いたい。けど、物足りなさはある。