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『ナラタージュ』 

これが意外と良かった!
基本は松潤と有村架純の「高校教師」的な不倫恋愛に、有村架純と坂口健太郎のなんとなくからの恋愛が重なっている。
原作の人も映画好きなのか映画を観るシーンやDVDを貸したりするシーンがあるが、そもそも大枠の不倫恋愛が成瀬巳喜男の『浮雲』へのオマージュのような作品であり、『驟雨』を思わせる重厚な恋愛に仕上がっている。

不倫恋愛としては目新しさはないが岸谷五朗と深田恭子の『夜明けの街で』のような古くささは不思議となく、携帯やちょっとした仕草からの感情の縺れを描いており、繊細で重みを感じる恋愛を見せてくれる。

大学時代の回想録が中心となるが、間にさらにその前の回想も挟み「回想の回想」というあまり良くない手法をやっているが、その「回想の回想」はワンポイントでサラッと入れるので、それはそれで悪くない。

『つやのよる』とか『ピンクとグレー』のような実験作は良かったが、ここに来て、行定勲の真骨頂を見せつけられた気がする。

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